大好きな短歌

今日も大好きな短歌を楽しみましょう。頂いた歌集や歌書などを紹介します。

友人が色紙を贈ってくれました

 

 

わたしは字を書くのが下手なのです。ましてや書道となるととても苦手です。

文化祭に短歌をかざる時など、書道を習わぬ自分がいつも恥ずかしい。

ところで思いがけず、友人が私の短歌を書道作品として色紙に書き、プレゼントしてくれました。自分の短歌作品でありながら自分では書けない色紙の作品をありがとう。

額に入れて、自分の机の前に飾りましょうか。 高木 陸

 

 

日本歌人クラブ会誌 第222号 秋 2025年9月号

今日届いたばかりの会誌。

渋い秋の日差しを思わせるような色の表紙に、刷毛で書いたような白い一陣の風が舞っている。

日本歌人クラブは、全国で2千人もの歌人が在籍している日本最大の短歌愛好者の会だ。

ここに長年在籍しているが、一度も総会や催し物に出席したことがない。

でも毎年『現代万葉集』へは作品を提出している。

歌集を出したころは、「作品五首」に掲載された。

 

名ばかりの幽霊会員になりそうなので、

これからは、クラブ歌壇「風」に応募してみようかな?

 

ホームページが新しくなったそうだ。

どなたでもご覧になれるので、ぜひどうぞ。

                https://www.nihonkajinclub.com/

 

明後日は、介護施設のデイサービスに来られる短歌初心者の方方へ短歌のお話に行くので、この会誌をお持ちしてお見せしてこよう。

人生経験豊富な先輩方が、短歌を身近に楽しむようになってくれたら嬉しい。

 

107  歌集 薔薇祭

書名   歌集薔薇祭    (短歌新聞社文庫)

著者   大野 誠夫  (おおの のぶお)

発行   短歌新聞社

発行   令和5年4月20日 再販発行

定価   667円税別

 

「作風」主宰大野誠夫は、私の師の師。

これは文庫なので気軽に持ち歩きできる。

 

表紙カバー裏の短歌より2首引用

    兵たりしものさまよへる風の市白きマフラーをまきゐたり哀し

 

    空にむきて枝伸びし木々をわれは愛す絵を描きしころも苦しめるいまも

 

私の大好きな短歌 16頁より引用

   激動に揺すらるる身にこゑひびく美しきものは失ふべからず

 

 

 

 

 

106 加藤克己歌集 螺旋階段

 書名 歌集「 螺旋階段 」 加藤克己歌集

著者   加藤克己

刊行所  民族社

発売所  栗田書店

発行日  昭和12年(1937年)10月1日

定価   1円50銭

 

*漢字は現代のものに置き換えて、いくつかの歌を紹介する。

私がまだ生まれる前の時代の作品群だ。

長い年月を過ぎても、よい歌は残るのだ。

 

びつしょりとこころぬらして庭にたつわれの真上の三角の月

まつしろい腕が空からのびてくる抜かれゆく脳髄のけさの快感

太陽のあたたかいあさ掌にのせし果実のおもみに泪おとしぬ

鳥かげはまっしろい夢にふれてさる足うらつめたいつめたいつめたい

あぢさゐのはなかげしつとり黒い土に夢ほどのけさのふくらみを埋める

この視覚よりみたるうつくしさ南方のしろい雲のなかできみをとらへる

 

埼玉県の歌人会で一度お目にかかったことがある。

「加藤先生の短歌作品の大ファンです、お目にかかれて光栄です」

などと、ご高齢の加藤先生へご挨拶をした。

 

何という歌集の歌か今もわからないが、そのころとても大好きだった作品があった。

今は、書いておいたノートも見つからないのだが、

結句はたしか

「 月がのぼった 」

と記憶している。

 

私が尊敬し所属し今も指導して頂いている別な師の作品とは、大きく違う読みぶりであった。でもなぜか、加藤先生の短歌作品のファンでもあった。

 

昨年、図書館でこの歌集を見かけて読み、ようやく紹介ができた。

一生を通じてたくさんの短歌や文章も発表された先生の、故郷は綾部市であったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

105 歌舞伎の郷

書名   歌集 歌舞伎の郷 響叢書第43篇

著者   原島勝子

発行   2024年8月14日

     いりの舎

定価   2,750円 10%税込

 

  町中が歌舞伎役者にと職員の夫も演じし日本駄右衛門

 

  満席の子ども歌舞伎の会場に下駄の音響き声よく徹る

 

  かへりみれば母に俳句を姑に短歌を学ぶわれの来し道

 

 

104 中里富美夫歌集 百四歳の春

書名   歌集 百四歳の春

著者   中里富美夫

発行所   文芸四季の会

発行日  令和6年(2024)5月1日

 

今年5月に104歳を迎えた中里先生の歌集だ。

若輩の私共にはわからない未知の世界の境地、

青草という俳号を持つ著者は、毎日俳句1句・短歌1首を心掛けている。

その中から選んだ短歌であるという。いくつか紹介しよう。

 

幾たびか辛酸を経てようやくに百四歳の峠に至る

茶寿という夢のほかには財産も地位も名誉も我は望まず

楚々と咲くいとしき花の名はアザミ心の花と決めて久しき

歌枕尋ねる旅を果たせずに足弱りしは口惜しきかな

自分史を書けばそくそくと湧きてくる幼きころの父母の恩愛

 

私にはまだ見えぬ先の先の世界、戦争という厳しいものを乗り越えて、

今は九四歳の独居を楽しんでおられる。

いやあ、私は自分史先へ筆が進まずにいるがやはり甘えているなあ。

 

この酷暑の日々を

どうぞうまく乗り越えてお元気でいてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

103 与謝野晶子の百首

書名  与謝野晶子の百首

著者  松平盟子

発行  2023年7月7日 初版

発行所  ふらんす堂

 

長い時間をかけて与謝野晶子を研究した歌人松平盟子が解説する百首。

若い頃の短歌と、何人もの子供を産み育て齢を重ねて人生の喜びも苦しみも体験した

晶子の短歌は年々変化をしてゆく。

 

短歌を始めた頃の強烈な印象深い短歌の数々は確かに精彩を放ち、世間も驚かせた。

しかし、今でもどこか観光地へ行くと、どうも晶子の短歌に出会う。

明子が宿に宿泊したというので色紙が飾られていたり、お寺の境内でさえも歌碑が建ったりしている。

ことしはNHK大河ドラマの影響もあって、なおさら短歌に触れる機会も増える。

夫を失った紫式部が書いたのは源氏物語だが、夫を亡くした晶子がそれを思うとき

自分は数え年で還暦を迎え、もう若くはないなあと考える。

 

生涯でいかに多くの歌を残し、文章なども残したか、驚くべき結果である。

若き頃の歌がいろいろ言われることには、晶子はもっと今を見て欲しいという気持ちでいたようだ。そう、人間は絶え間なく変わっていくものだ。

人生は長く険しくて楽しいことばかりではない、でも生活苦と戦いながらも多くの子供を産み育て、家庭を守り、夫に尽くした。

並みの人間には到底できない努力と才能である。