大好きな短歌

今日も大好きな短歌を楽しみましょう。頂いた歌集や歌書などを紹介します。

102 本 俵万智 史上最強の三十一文字

書名    俵万智 史上最強の三十一文字

      KAWADE夢ムック 文藝別冊

 

発行    ㈱河出書房新社

発行日   2017年6月30日 初版

 

  一日を全部自分に使える日 書き継いでゆく牧水の恋

 

  ポストまで朝の散歩をしておればカバン持つ人みな急ぎ足

 

短歌を知らない人は簡単そうだと読むが、知ってる人はその短歌の陰に隠れた工夫などを考える。

 

 

簡単そうに見えて簡単ではない俵万智の短歌。

初めてご本人を見たのは、ある大学の舞台の上での対談だった。

客席から見上げる彼女は遠いが、きらりと輝いていた。

思った通りの聡明で可愛い声の印象だった。

真っ黒な紙にライトが当たり、反射していた。

あとでその時の印象を詠んだ私の短歌。

  

 万智ちゃんを初めて見たの真っ黒な髪に天使の輪が輝いている

 

 

 同時代を生きている俵万智は、研究対象にするには私には無理すぎる。

それだけ広範囲で深いアンテナは張れない。

 

俵万智も好きだけど、やはり私の尊敬する一番の歌人は齋藤茂吉だ。

勿論、俵町の短歌を真似ることもできないけれど、齋藤茂吉の短歌を真似ることはさらにできないことだ。できることは自分流の勉強を重ねて自分流の短歌を紡ぎ出すだけだ。齋藤茂吉の短歌は、私には難しすぎて理解できないものもたくさんある。

だからこそ、研究するやりがいもある。

 

しかし、短歌の世界で俵万智の功績はとても大きい、それは短歌を詠む人ならだれでも実感していることだ。コロナ禍をへての現在の短歌ブームにも大きく影響を与えている歌人だ。

 

101 第37回 東洋大学現代学生百人一首

書名 2024年編纂 第37回東洋大学現代学生百人一首

編集 現代学生百人一首運営委員会

発行 東洋大学

発行日 2024年2月14日

担当 東洋大学総務部広報課

 

今年度の短歌作品応募数は、6万3606首。短歌は首(しゅ)と数える。

学生であればどなたでも応募でき、国内だけでなく海外からも応募がある。若者の応募者最多数のこの中から選ばれた100首。読みごたえがある。

 

小学生の応募は212首だったので、別枠で「小学生の部」として10首が選ばれている。

 なつやすみみんなバイバイさみしいなおうちでふたりがっこうごっこ

  横浜市立十日市場小学校1年(神奈川県)

  詠者 餐庭愛唯(あいばめい) 7歳

 

それ以外で選ばれた入選作百首の中から、「秀逸作品」として15首後個々に評されている。大変な倍率で選出された作品だ。

 

  二年ぶりおかえり前髪寝癖たち引退すれども早起き続く

   東京都立片倉高等学校3年(東京都)

   詠者 小野田礼人 18歳

 

  前髪命の高校生たち、高校野球でも昨年丸坊主でない髪形が話題になったっけ。

  部活を引退後好みの髪形を楽しむ気持ちがよく表現されている。

 

 

また、日本語学校・海外協定校 優秀作品として3首が挙げられている。

 

  十二月良いお年をと言ったけどまた会いたいと君に言えない

 

   シーナカリンウィロート大学3年(タイ)

   詠者  ワーワー インタワォン 21歳 

 

作品集から作品を引用させていただいた。

東洋大学ホームページでも発表されている。

100 ぼくの短歌ノート 穂村弘

書名  ぼくの短歌 

著者  穂村弘

発行日 2015年6月15日

発行所 株式会社講談社

 

「群像」誌上に連載の「現代短歌ノート」まとめたものだという。

本人の作品だけでなく、いろんなテーマに基づいてプロばかりでもなく一般の方々の作品も取り上げて紹介している。

テーマは、たとえば

コップとパックの歌

賞味期限の歌

など、文章でのを読むといろいろ考えさせられた。

まだ読んでいる途中だが、興味深いので紹介してみた。

 

 

99 めくってびっくり短歌絵本 全5巻

穂村弘さんの短歌の本をいくつか読んでいる。

 

めくってびっくり短歌絵本 穂村弘・編 全5巻

全5巻のうちの2冊を読んでみた。

 

(1) 書名 そこにいますか 日常の短歌

    著者 穂村弘  絵 西村敏夫

    発行日 2011年7月10日 第7刷

    発行所  株式会社岩崎書店

    価格   本体1400円+税

 

  表紙の裏の文章を引用  

  短歌は、五・七・五・七・七の三十一音からなる短い歌です。

  日々のふとしたことがらを短歌で楽しみましょう。

  日常の短歌を十四首収録。

 

*この文章は縦書きなので、漢数字を使っている。とても気に入った。

 なぜかというと、三十一文字ではなくて三十一音と書いてあるから。

 どうしても、短歌を三十一文字ともいうのでそれに縛られがちだが、

 この絵本では三十一音と表現している。とてもよい。

 14人の作者の短歌を紹介している。

 

 私は斎藤茂吉の短歌がすきだが、今まで気づかなかった作品が載っていた。

 

   さまざまの工夫をしたる鍵ありて諸国の町に運ばれてゆく  斎藤茂吉

 

 

(2) 書名 納豆の大どんぶり  家族の短歌

    著者 穂村 弘  絵 寺門孝之

    発行日 2011年8月30日 第4刷

    発行所  株式会社岩崎書店

    価格   本体1400円+税

 

 *題名の短歌は、笹公人さんの作品

  十二人家族のつくる納豆の大ドンブリのねばりを思え

 

  穂村弘さんの短歌は

  目薬をこわがる妹のためにプラネタリウムに放て鳥たち

 

  そして斎藤茂吉の短歌は

  みちのくの母のいのちを一目見ん一目みんとぞただにいそげる

 

 

 

 

  

 

 

98 歌誌「響」2024年1月号

歌誌名  響(ひびき)2024年1月号  第28巻158号

主宰   綾部光芳先生

編集   宮森正美

発行日  2024年1月号 隔月発行

発行所  埼玉県秩父市

購読会員  半年分2500円

 

巻頭には、國學院大學名誉教授による連載「恋歌の熟するころー東国の相聞歌を読む(35回)」

また、若山牧水の書信(13)

綾部光芳の歌を読む(25)第4歌集『響』

などの連載が続いている。

短歌と共に、読み物もまた、読み応えのある会誌。

11月23日に、日本短歌雑誌連盟より優良歌誌賞を受賞した。

受賞当日の秋季定期大会には、120名もの参加者でにぎわった。

 

 

97 歌誌あるご 2024年1・2月号

 冊子名   歌誌 あるご 2024年1・2月号 第42巻 第463号

 発行・編集  藤岡武雄先生

 発行所    静岡県三島市内 あるご短歌会

 頒価     1000円

 

 静岡県三島市在住の藤岡武雄先生が主宰するあるご短歌会の隔月発行誌。

 今年11月23日、日本短歌雑誌連盟秋季定期大会にて、全国から3誌だけ選ばれた

 優良歌誌賞を受賞した。おめでとうございます。

 

 やはりコロナ禍で実に3年ぶりの大会開催だった。

 

 

 

96 風 日本歌人クラブ №217

冊子名   風 日本歌人クラブ 会報第217号

                2024年1月号

編集人   「風」編集委員会

発行所   日本歌人クラブ

発行日   令和6年1月1日

定価     500円

 

第17回全日本学生・ジュニア短歌大会選考経過報告が載っている。

2019年の第13回大会以後、コロナ禍にて一堂に会しての大会は控えていたために、今年10月の第17回で一堂に会して開催できた様子が載せられている。

また、2024年『現代万葉集』の応募についてお知らせがある。