書名 歌集『象のまつげ』 響叢書第38篇
著者 高木 陸(むつみ)
発行所 短歌研究社
発行日 2020年(令和2年)6月30日
定価 本体 2500円+税
こんなにも象のまつげは長いのとサファリバスより窓越しに見る
半周りほどの黄色いコロナ描きしばし午睡かひまわりの花
*言葉の意味するものは時代とともに変わる。青春と書いて、いま若者は「あお
はる」と読む。かつてのコロナは、皆既日食の時に見える太陽の周りに白く輝く
ものだった。しかし現在はコロナといえば、新型肺炎のことになってしまった。
ひまわりは、阪神淡路大震災後は復興感謝のシンボルフラワーであり、その後の
日本各地の災害の復興の花でもあった。そして今、ロシアの侵攻に苦しむウクラ
イナの象徴的な花だ。平和のシンボルの花になる日を祈りたい。